2階建てより「平屋」の方が地震に強い理由
ポイントは「バランス」にある。
2階建ての家は、2階の壁量に対し1階の壁量が少なくなりやすい。
なぜなら2階はプライベートな個室が多いのに比べ、1階は大空間のLDKを設けるからです。
つまり、2階に柱や壁の数が増えることによって、上からの荷重が大きくなるにも関わらず、
それを支える1階に柱や壁の数が少なくなってしまうから。
また、圧倒的に過ごす時間が長いLDKを明るくしたいという気持ちから
どうしても1階には窓を必要以上に設けてしまいがちです。
一般的に多いのは、南に多く窓をつけ、北は出来るだけ窓をつくらない家が多いですが、
こちらもバランスが悪くなる原因です。
その上、2階建ての場合は、2階の南にベランダやバルコニーを張り出してつくることが多く、
支える壁が少ない南により大きな負荷がかかる。
2階建てならではの制約
よって、2階建てで高い性能を維持するためには、何らかの制約を受けることになります。
具体的には・・・
耐震等級3を取りたい場合 間取りに何らかの制約が発生することがあります。
せっかくの大空間のど真ん中に柱や壁が必要になる、南の窓のサイズが小さくすることとなる。
さらに「制震装置」も設置しなければならない。
2階建ての場合、台風の時や爆弾低気圧の時、強風の影響で家の2階部分が揺れやすい。
トラックや工事車両のような大型車両が進行した時にも同じように2階部分が揺れやすい。
これは、小さな地震が小刻みに受けているのと同じようなもの。
つまり耐震金物を緩めてしまう原因となる可能性が高いからです。
よって、「平屋」がいいと思っています。
平屋にすれば強風や車両振動の影響を受けにくく、地震の影響も受けにくいため、
制震装置する必要がありませんし、上からの荷重も少ないです。
ベランダやバルコニーといった耐震性を悪くするものをつくる必要もないですね。
後は、南と北の壁量バランスが悪くならないように気を配りながら間取りを考えれば
耐震性の高い家が完成します。
土地に合わせることも耐震面においても大切なことです。
例えば...
交通量が多い幹線道路に面した土地で家を建てる場合、
通行車両の振動の影響を受けやすいため、出来るだけ家の重心を下げるべきであり、
海に近い場所も、日常的に強風にさらされるため出来るだけ重心を低くすべきです。
つまり、可能なら「平屋」をおすすめします。